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成田銘醸「長命泉」蔵元 公式通販ONLINE STORE

column コラム

2025.08.27

悠久の時を経て、今、ここに結実する旨味の系譜―長命泉 備前雄町―

この度、滝沢本店より皆様にお届けしたい特別な一本がございます。それは、酒米のルーツを辿れば必ず行き着く唯一無二の存在「雄町」を贅沢に使用した吟醸純米酒「長命泉 備前雄町」です。
今日、日本酒の世界では多種多様な酒米が栽培され、それぞれの個性を活かした銘酒が日々生み出されています。しかし、その根源を辿ればほとんどの酒米の系譜にその名が刻まれるまさに“酒米の祖”と呼ぶべき存在が「雄町」です。今回はこの「雄町」の奥深さに触れながら「長命泉 備前雄町」が皆様にお届けする感動について語らせていただきます。
雄町――酒米のロマンを秘めた“幻の米”から“復活の米”へ
「雄町」という酒米をご存知でしょうか。日本酒に造詣の深い方であれば、その名を耳にしたことがあるかもしれません。しかし、その栽培の難しさから一時は「幻の米」とまで称され、近年まで生産量が極めて限られていました。その歴史は、現在の酒米の主流である「山田錦」や「五百万石」よりも遥かに古い実に150年以上も前に遡ります。
雄町の発見は嘉永5年(1852年)。岡山県雄町村(現在の岡山市中区雄町)の農家、岸本甚造氏が自らの田で2本の異変株を発見したことに始まります。その異変株は、通常の米よりも背丈が高く、穂が大きく、しかも倒れにくいという特徴を持っていました。甚造氏はこの異変株を丹念に育成し明治初期には「二本草」という名で栽培されるようになります。そして明治20年代に入るとその優れた酒造適性から「雄町」の名で全国に広がり当時の主要な酒米として一世を風靡しました。
しかし、雄町にはその優れた酒造適性と引き換えに、大きな弱点がありました。それは、草丈が非常に長く倒れやすいこと。さらに、稲穂が大きく米粒も大きいため、栽培中に病害虫の被害を受けやすいという栽培の難しさです。戦後、より栽培しやすく収量の多い品種が求められるようになると雄町の作付けは激減します。例えば、酒米の王様と称される「山田錦」も、雄町と「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」の交配によって生まれた品種であり、雄町の優れた特性を受け継ぎつつもその栽培の難点を改良した品種と言えます。
一時はその存在が危ぶまれた雄町ですが、昭和後期から平成にかけてその唯一無二の個性に魅せられた酒蔵や篤農家たちの熱意によって見事に復活を遂げます。特に発祥の地である岡山県では、県を挙げて雄町の栽培を奨励し今では「備前雄町」としてその名を全国に轟かせています。

雄町が醸し出す唯一無二の個性――豊かな旨味と複雑な奥行き
では、なぜ雄町はこれほどまでに多くの酒蔵や愛好家を魅了するのでしょうか。その理由は雄町が持つ他に類を見ない酒造特性にあります。
雄町の大きな特徴はその米粒の大きさと、心白(しんぱく)と呼ばれるデンプン質の部分が米の中心に大きく現れることです。心白は酒造りの際に麹菌が入り込みやすく、効率よくデンプンを糖化させるために非常に重要です。雄町の心白は、他の酒米に比べて大きくしかも球状に近い形をしているため醪(もろみ)の中で溶けやすく、米の旨味を最大限に引き出すことができます。
雄町で醸された日本酒は、一般的に以下のような特徴を持つと言われています。
●豊かな旨味とふくよかな味わい: 口に含んだ瞬間に広がる米由来のしっかりとした旨味と奥行きのあるふくよかな味わいは雄町ならではの魅力です。単に甘いだけでなく複雑なニュアンスを含んだ旨味が特徴です。
●酸と甘味のバランス: 雄町は豊かな旨味と同時に心地よい酸味も持ち合わせています。この酸味が酒全体の味わいを引き締め後味のキレを良くします。甘味とのバランスが絶妙で飲み飽きしない上品な味わいを醸し出します。
●熟成による変化の面白さ: 雄町で醸された日本酒は熟成によってさらにその真価を発揮します。新酒の時にはフレッシュで力強い味わいですが熟成が進むにつれて、まろやかさが増し複雑な香味が生まれます。ナッツやドライフルーツのような熟成香や落ち着いた旨味が楽しめます。
●独特の膨らみと立体感: 雄町特有の口の中で「ふわり」と広がるような膨らみと、舌の上で感じる立体感は他の酒米ではなかなか味わえない個性です。これは、雄町の大きな心白が醪の中でゆっくりと溶け出すことで生まれるものだと考えられています。
●幅広い料理との相性: その豊かな旨味と奥行きのある味わいから和食はもちろんのこと洋食や中華など幅広いジャンルの料理と相性が良いのも雄町の魅力です。特に、旨味の強い料理や少し濃いめの味付けの料理と合わせるとお互いの良さを引き出し合います。
これらの特徴はまさに日本酒が持つ「奥深さ」を体現していると言えるでしょう。雄町は単なる米の品種ではなく日本酒の歴史と文化そして未来を繋ぐまさに“酒米の遺伝子”そのものなのです。

――長命泉 純米吟醸 備前雄町――滝沢本店が描く雄町の世界
さて、前置きが長くなりましたがここからが本題です。私たち滝沢本店が、この雄町という素晴らしい酒米に敬意を表し、その魅力を最大限に引き出すべく醸し上げたのが「長命泉 備前雄町」です。
「長命泉 備前雄町」に使用するのは、もちろん雄町発祥の地である岡山県産の「雄町」のみ。契約農家の方々が丹精込めて栽培した高品質な雄町を全量使用しています。雄町は前述の通り栽培が非常に難しい酒米です。しかし、そこから生まれる圧倒的な個性と魅力は他のどの酒米も持ち合わせません。私たちはこの稀有な米の個性を信じ手間と時間を惜しまずに醸造に臨みました。
「長命泉 備前雄町」の醸造においては雄町が持つ特性を最大限に引き出すため細心の注意を払っています。雄町の大きな心白を活かすべく麹造りでは「突き破精(つきはぜ)」と呼ばれる米の内部まで麹菌の菌糸がしっかりと入り込むような製法を心がけています。これにより、米の旨味を効率的に引き出し醪の中でしっかりと溶ける基盤を築きます。
また、発酵においては比較的低温でじっくりと雄町本来の穏やかな旨味と香りが引き立つように発酵を進めます。雄町は溶けやすい米であるがゆえに発酵が急に進みすぎると味わいが粗くなったり、雑味が出やすくなることがあります。そのため、蔵人たちは常に醪の状態を注意深く観察し、繊細な調整を行うことで雄町ならではのふくよかで奥行きのある味わいを引き出しています。
そうして丁寧に醸し上げられた「長命泉 純米吟醸 備前雄町」は、グラスに注ぐと、ほんのりと黄金色を帯びた透明感のある輝きを放ちます。その香りは、穏やかながらも米本来の持つ上質な旨味を予感させる、品格のある吟醸香が立ち昇ります。熟れたバナナのような甘い香りにほんのりと香ばしい穀物香が混じり合う複雑で魅力的な香りです。
口に含むとまず感じられるのは、雄町らしい力強くも優しい旨味の波。舌の上でふわりと広がり米の持つ豊かな甘味と酸味が絶妙なバランスで絡み合います。決して単調な甘さではなく様々な要素が重なり合った奥深い複雑な旨味です。飲み込むとその旨味は喉の奥へと滑らかに消えていき後味には心地よい余韻が長く続きます。この余韻が、もう一口、もう一口と、次の一杯へと誘うのです。
「長命泉 備前雄町」は雄町が持つ「熟成の妙」も存分に楽しんでいただける一本です。新酒の時には瑞々しさと力強さが際立ちますが、瓶の中でゆっくりと熟成させることで味わいはさらにまろやかさを増し香りに深みが加わります。まるでワインのように、時の経過とともに変化する雄町の表情をぜひご自身でお楽しみください。
長命泉 備前雄町と楽しむ至福のひととき
「長命泉 備前雄町」は、その豊かな旨味と奥深い味わいから様々な料理と素晴らしいマリアージュを奏でます。
例えば、和食ならば旬の白身魚の煮付けや、鶏肉の照り焼きなど少し甘辛い味付けの料理と合わせると雄町の旨味が料理の味を引き立てより一層美味しく感じられます。また、脂の乗ったお刺身や濃厚な味わいのチーズなどと合わせると雄町の酸味が口の中をリフレッシュし、飽きさせることなく料理を楽しめます。
洋食では、ローストポークや鴨肉のローストなど肉の旨味がしっかりとした料理と合わせると雄町の豊かな旨味が肉の風味と調和し素晴らしいハーモニーを生み出します。また、キノコを使ったクリーム系のパスタやグラタンなどとも相性が良く雄町が持つ複雑な香味が料理に奥行きを与えてくれます。
「長命泉 備前雄町」は、冷やして飲むのももちろん美味しいですが少し温度を上げることで雄町本来のふくよかな旨味と香りがさらに引き立ちます。ぜひ、お好みの温度帯を見つけて雄町の奥深さを存分にお楽しみください。

――結びに――歴史と情熱が織りなす「長命泉 備前雄町」
滝沢本店は創業以来、成田の地で皆様に愛される日本酒を造り続けてまいりました。私たちは、日本酒造りにおいて古くからの伝統を重んじつつも常に新しい挑戦を続けています。
「長命泉 備前雄町」はまさにその集大成とも言える一本です。酒米の祖である雄町の歴史に敬意を払いその醸造の難しさに臆することなく最高の雄町を求め、そしてその個性を最大限に引き出すための醸造技術を追求してまいりました。
この一本には雄町という酒米が持つロマン、そして私たちの酒造りに対する情熱が凝縮されています。一口含むごとに雄町が育んできた悠久の時、そして私たちの手仕事が生み出す旨味の系譜を感じていただけると信じております。
「長命泉 備前雄町」が皆様の食卓に、そして心に、豊かな彩りをお届けできることを願ってやみません。ぜひ一度、この歴史と情熱が織りなす極上の味わいをご自身の舌でお確かめください。
今後とも、長命泉、そして滝沢本店をどうぞよろしくお願い申し上げます。

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※未成年者の飲酒は法律で禁止されています。
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